お子さんの教育について日々考え、最善を尽くしていらっしゃるお母さん方にとって、英語学習は最重要テーマの一つですよね! 特に、「いつから英語を学ばせるべきか」「英語学習に最適な年齢は?」という問いには、さまざまな意見があり、迷われている方も多いのではないでしょうか?
今回は、年齢ごとの英語学習の利点と課題について見ていきながら、毎年のべ130人以上が英検を受ける準会場教室の塾長という立場から、実例を交えて最適なタイミングを考えてみました。
目次
1.幼児期(0〜5歳)
利点:
幼児期は言語習得の臨界期とされており、この時期に複数の言語を自然に習得する能力が高いとされています。脳が柔軟で、新しい音やリズムに敏感なため、英語の発音やイントネーションを模倣しやすい状態です。また、言語を学ぶことが遊びの一環として行われるため、ストレスが少なく、楽しく学ぶことができるのも大きな利点です。
課題:
一方で、幼児期に英語を学ぶ際の課題も存在します。まず、子どもがまだ母語を習得できていない状態なので、複数言語の学習が混乱を招くことがあります。また、幼児期の学習は家庭環境や親のサポートに大きく依存するため、親が英語に不慣れな場合は効果的な学習が難しくなることもあります。
うまくいった例:
年長さんで英検準2級を受けられた方がいました。保育園児だったので、まだ自分の家の住所が書けませんでしたが、住所の記入まではお母さまが横についてサポートし、みごと合格されました。普段からご家庭では英語でやりとりをしているとのことでした。
2.小学校低学年(6〜8歳)
利点:
小学校低学年は、言語の基本的な構造を理解し始める時期です。この時期には、母語の理解がしっかりしてきており、第二言語としての英語の学習がより体系的に行われるようになります。学校での英語教育がはじまり、ALTと接する機会も増えるため、基礎的な英語力を身につけるのに適しています。
課題:
この年齢ではまだ集中力が持続しにくいことがあり、長時間の学習が難しいことも。また、興味や関心が短期間で変わることが多いため、英語学習へのモチベーションを維持する工夫が必要です。さらに、小学校入学や友人関係の変化への適応が難しい場合は、ストレス過多になることもあるでしょう。
中学生の保護者の方で、「低学年から英語は通わせているけど、リスニングが得意なくらいで特に英語の成績もいいわけじゃないんです」と言われる方も結構いらっしゃいます。英会話教室や塾に通うことは英語が好きになる良いきっかけですが、ご家庭のサポートが必要です。英語の検定を受けて実力を可視化し、モチベーションの維持に繋げたり、「今日はどんなことを習ったの?」と習ったことをご家庭で復習する工夫ができていると、記憶の定着に効果的です。
うまくいった例:
先日の英検実施日。小学3年生のお子さまがお母さまと一緒に5級を受けに来てくれました。教室の入口で「がんばってね~!」とお母さまが声をかけているのに笑顔で応える姿を見て、楽しんでらっしゃるな~と感じました。
3.小学校高学年(9〜12歳)
利点:
小学校高学年になると、論理的思考が発達し、文法や構造を理解する力が増してきます。また、この時期に英語を学ぶことで、中学校以降の英語教育へスムーズに移行することができます。英語を使った簡単なコミュニケーションや、英語で書かれたテキストの読み書きにも挑戦できるようになります。
課題:
この年齢層の課題は、学業や他の課外活動との両立です。多くの子どもたちはこの時期に様々な活動を始めるため、英語学習に割ける時間が限られることがあります。また、英語学習の難易度が次第に高くなるため、継続的なサポートとモチベーション維持が大切です。
うまくいった例:
英検4級を受検した小学4年生。塾で週1回学習し、ご自宅ではお母さまが宿題のサポートをしました。英単語の暗記はほとんど自宅で毎日取り組んでもらったこともあり、みごと合格されました。
やはり低学年のうちは、ご家庭でのサポートがないと検定合格は難しいと感じます。高学年で学習の習慣がついていれば、自分でできる部分も増えてくるので、つきっきりで勉強をするというより、勉強への声かけや「わからない~」となったときに応えてあげられる距離にいることが大事です。合格したらご褒美を用意するのもモチベーションアップに効果的です。
4.中学生(13〜15歳)
利点:
中学生になると、抽象的な概念や複雑な文法を理解する能力が高まります。この時期には、英語の四技能(読む、書く、聞く、話す)をバランスよく伸ばすことができるようになります。また、学校での英語教育が本格化し、受験対策としての英語学習も始まるため、学習の動機づけが強まります。
課題:
中学生は思春期特有の心理的な変化やプレッシャーに直面することが多く、英語学習に対する抵抗感を持つ場合があります。また、学業や部活動との両立が難しくなることもあり、生活習慣から改善した効率的な学習方法の確立が求められます。音読しているのを聞かれるのを嫌がるのもこの時期。自分の部屋やお風呂で声を出すようにすることをおすすめします!
うまくいった例:
幣塾では、「中3までに英検準2級を合格していると、長崎5高にみんな合格してるよ~(事実です)」を伝えています。準2級まで合格するには、予習の勉強を受け入れることや面接対策ができるようになっていることも必要なので、合格する力が総合的に養われます。中3になれば、だいぶ自分で勉強できるようになってきますが、学習環境づくりは、保護者の方のサポートが必要です。テキストの進度やモチベーションの維持など、「家族みんなが応援しているよ!」というメッセージが伝わると大きな力になります。
5.高校生(16〜18歳)
利点:
高校生になると、自主的な学習能力が高まり、英語を深く学ぶことが可能になります。この時期には、英語を使って専門的な知識を深めたり、海外の文化やニュースに触れることで、実践的な英語力を養うことができます。また、将来の進路を見据えた学習ができるため、留学や海外大学進学を視野に入れた英語学習が効果的です。
課題:
高校生は部活動や受験勉強、進路選択に忙しく、英語学習に十分な時間を割けないことがあります。また、高度な英語力を求められるため、自分に合った学習方法を見つけることが重要です。
うまくいった例:
受験勉強への動機づけや将来やりたいことの目的に繋げて考えられている子は邁進します。英検などの検定取得が、入試の点数に加味してくれる学科ならいちばん良いですが、もしそうでなくても、合格していれば自信もつくし、英語学習の一定の指標になります。また、将来の叶えたい夢がある生徒さんで、英語力があると有利な夢であれば、英検合格はそこに行きつくまでの途中過程になります。将来の夢に繋げて考えられていると、モチベーションは上がります。
6.成人(18歳以上)
利点:
成人になると、自己管理能力が高まり、目的意識を持って英語学習に取り組むことができます。仕事や趣味、旅行など、具体的な目標に基づいて英語を学ぶことで、実践的なスキルを身につけることができます。また、オンラインコースや語学学校など、多種多様な学習手段が利用できるのもメリットです。
課題:
成人は仕事や家庭の責任など、多くの時間的制約に直面します。そのため、効率的な時間管理とモチベーションの維持が必要です。また、発音や文法の習得においては、若年期の学習者に比べて時間がかかることが多い。
うまくいった例:
仕事で必要、外国人の友人がいる、海外留学したい等
私自身も高校卒業後、シドニーへ行き英語を勉強し始めました。3週間くらいでなんとなく会話ができるようになり、3ヶ月で生活に支障がないくらいになり、3年たてば英語で口喧嘩したりしていました。
「英語は幼少期から始めたほうが絶対いい」という風潮もありますが、何歳からでも、はじめたいときが一番のタイミングだと思っています。
まとめ
英語学習に最適な年齢はこれ!とは一概に言えません。各年齢層にはそれぞれの利点と課題があるので、幼児期から成人まで、それぞれの時期に適した学習方法を見つけることが重要です。いずれにしても大切なのは、子どもの興味や関心を引き出し、継続的にサポートすること。子どもが英語学習に対して前向きに取り組める環境を整えることが成功の鍵となります。
あえていえば、お母さんがサポートできる時間をつくり、各々のお子さんにとって最適な英語学習のタイミングと方法を見つけ、親子が共に楽しんで英語を習得していくことができるときが最適な時期!です。「そうは言っても忙しくて…」ということなら、英会話教室や塾がお手伝いできれば幸いです。その場合でも、お母さんの愛情と継続したサポートが、子どもの未来を切り開く大きな力となることは変わりません。どうぞ、楽しみながら英語学習の旅をお子さんと一緒に歩んでいってください(^^♪
※ここでは、「子どもをサポートできる人のこと」を便宜的に「お母さん」と呼んでいます。サポートできる人なら、お父さんやおばあちゃんやお兄ちゃんや隣のおばちゃんe.t.c...でも、もちろんOKです!
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